第44回宮崎県医学検査学会 
抄録集

学会日時:  受付開始 9:00より
 学会開始 9:30
学会場:  宮崎市郡医師会臨床検査センター視聴覚教室
一般演題:  8題
特別講演:  1題

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演題No. 3

迅遠赤血球沈降速度測定装置「クイックアイ」の基礎的検討について

○黒木祥子 末澤滝子 吉野修司 籠正利
県立日南病院検査科

【目的】
赤血球沈降速度検査(血沈)は日常検査として古くから行われており、炎症、血漿蛋白異常、貧血など様々な病態を反映する。しかし従来法であるWestergren法は検査に時間がかかり、さらに検査者が血液に触れる可能性もあり、感染リスクが高いという問題点があった。
今回、これらの問題を改善した迅速赤血球沈降速度測定装置=クイックアイ(長瀬産業株式会社)を導入し、基礎的検討を行ったので報告する。

【方法】
クイックアイ専用試験管(3.8%クエン酸ナトリウム入り)により採血された、患者164検体を対象とした。採血後一定時間検体を攪拌し、クイックアイ法による血沈の測定を行った。測定終了後、同一検体を用いてWestergren法による測定を行つた。
基礎的検討としてクイックアイ法とWestergren法による各々の3O分、1時間および2時間値の相関を調べた。また、血沈に影響を与える因子とされるヘモグロビン(Hb)、CRP、フィブリノゲン(Fbg)、アルブミン(A1b)およびグロブリン(GLB)等について血沈との相関を調べた。

【結果】
血沈30分、1時間および2時間値は、クイックアイとWestergren法との間に良好な相関関係を認めた(30分値:.879,y=0-47x-2.11,1時間値: =0-951,y=O.882x・0-589、2時間値=0-915,y=0,904x・0,636)。クイックアイ法およびWestergren法の各血沈値と、CRP ,Fbg , Alb、GLB;との明確な相関は認められなかった。

【まとめ】
クイヅクアイ法はWestergren法に比し、簡便にかつ短時間に血沈の検査を行うことを可程とした。クイックアイは有用な血沈検査法であると考えられた。